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神様のいない日本シリーズ 田中慎弥

聞こえるか、香折。父さんは廊下に座って話をする。この扉は開けない。
野球部のチームメイトからいじめを受け、部屋に引きこもってしまった香折。
物音ひとつない香折の部屋の前で、「父さん」は長い長い独白を始める。
いじめの一因となった、「香折」という名前の由来、そして「豚殺し」の祖父について。
それから、「父さん」と野球の関係、「母さん」との馴れ初め、日本シリーズの奇跡、『ゴドーを待ちながら』……。

この小説には、「実際に登場する(姿を見せる)」登場人物が「父さん」しかいません。
さらに、動きも全くありません。部屋の前で座っているだけ。
そういう意味で、かなり妙な小説です。

「父さん」もヘン。
野球賭博がもとで失踪し、音信不通になった「豚殺し」の祖父(「父さん」の父親)から、
「野球をやっているか」という手紙が来た、なんてエピソードをしみじみと語ったかと思えば、
その次には、自分の息子相手に、「母さん」の魅力について力説し始める、という……。

以下引用
「一番偉いわけですか。」
自信たっぷりの相手に一発食らわせてやったぞっていい気分になっている父さんの前で、歩き出していた足を、なんの戸惑いも悔しさも見せずに止めて振り返った母さんは、平然と言ったぞ。
「ふうん、知りませんでした。これからは偉いっていう自覚を持ちます。」
恰好よかった! 喜んでいいんだぞ香折。お前は本当に恰好いい母さんの息子なんだ。美人だろ。照れたって無駄だ。


「父さん」は、Mでした……。


「妙」とか「ヘン」とか言っておりますが、僕はこの小説が大好きです。
ちょっと一筋縄ではいかない小説が読みたい方はぜひ。



最後まで、父さんの語りに反応を見せない香折……。
香折は本当に部屋の中にいるのか? というのがこの小説の謎のひとつです。
僕は、うーん、いると思うなあ。なんとなく。
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